だからやっぱりギブソンが好き

Gibsonの古いギターと、ラグタイム音楽、そしてももクロをこよなく愛するフリー物書き、キタムラのブログ

最近のマイブーム:心屋仁之助さんのメンタルメソッド

 このあいだの週末2日間、心屋仁之助さんのところのメンタル系セミナーに参加してきた。

 

 心屋さんは、京都を拠点に活動する心理カウンセラー。独自のメソッドを柱に据えた「心屋塾」というメンタル系セミナーを各地で開催している。自前の講師やカウンセラーを養成し、著書が山ほどあり、全国テレビに出ていた時期もあるというから、この世界ではけっこう有名人といっていいだろう。

 

 僕が彼の名前を知ったのは今年の夏ごろ。友人が本を貸してくれたのがきっかけだった。さらさらっと読めるわかりやすい本で、なるほど~って思いながら一気に読んだ。

 

 まあ、そのころまで僕がはまっていたアドラー心理学と、大まかな世界観は共通だなと思ったので、とっつきやすかったというのはある。

 

 実際、アドラー心理学は、その後に現れたいろいろな実践的なメンタルメソッド(NLPとか、コーチングとか)に軒並み影響を与えているので、心屋流のメソッドもその流れから影響を受けていても、なんら不思議ではない。

 

 で、、、その時点では「ふーん」っていうぐらいだったのだけど、、、その後、本人の講演会に誘わたり、podcastの番組を聴いたりして、、要は、本人の語り口や、聴講者とのやりとりを聞くうちに、だんだん興味が湧いてきた。

 

 なんていうかな、、、ココロ系のセミナーや講演会にありがちな(と僕は思う)、押し付けがましい共感の雰囲気とか、私は全部わかってます系のもったいぶった笑顔とか、そういうものが一切ないのだ。

 

 心屋さん本人は、実に自然体に、ある意味グータラに、たらたらとおしゃべりをして、あとはギターの弾き語りで自作の歌を歌ったりしてるのだけれど、、、そんな語りや歌が、実にお見事に、聴衆(特に、質問タイムで悩み相談をする人たち)の心の中のこんがらかった世界をさらさらと紐解いていくのである。

 

 、、っていうか、そもそもこういう会の質問タイムで手を上げて「私、親子関係に悩んでいて。。」みたいな話を切々と語る人にむかって、「とりあえず一曲歌おうか」なんて、ちょっとなかなかないでしょ(笑)

 

 でも、心屋さんはそういうことをする。で、、、その歌を聞いた質問者は、涙がどどっと出てきたりするわけですよ。

 

 こりゃあ、ただ者じゃないな、って思った。

 

 と同時に、今の自分に必要なものが、そこにあるような気がした。

 

 それで、まず先月に1日コースの「初級セミナー」、そして今回は2日間の「上級セミナー」に参加してみた。講師はどちらも、心屋塾認定講師のひらいなずさん

 

 心屋流のメソッドは、よく「心のブレーキを外す」と形容される。まあ、このフレーズ自体は、いろんなところで似たような言葉が使われているし、心屋流の専売特許というわけでもないだろう。

 

 人間は、心の中に自分なりの世界観や価値観を作りあげる生き物。いわば「思い込み」で彩られた「物語(フィクション)」の中を生きる宿命を負っている。で、その思い込みの中には、「私なんてこの程度よ」などと自分に制約をかけたり、「世の中はまあこんなもんだろう」と斜に構えている部分が必ずある。

 

 そういう思い込みが、自分の行動にブレーキをかけ、自分で自分の首を絞めている。だからそれを外しましょう、、と、こういうストーリー展開は、メンタル系の世界では割と常套手段。まあ、そのブレーキをなんと呼ぶかはいろいろあって、アドラー流なら「ライフスタイル」。「トラウマ」と呼ぶ人たちもいる。仏教的な言葉なら「執着」。スピリチュアル系の場ではまたそれ流の解釈をするんだろう。

 

 ま、どう呼ぶかはとりあえずそれぞれだとして、、、大事なのは、どうやれば本当にブレーキが外れるか。そして、外れたことによって自分の人生観や実際の生き方がどう変わるか、だ。

 

 思うに、心屋流のメソッドの面白さは、そのブレーキの探し方にある。

 

 ブレーキと深い関わりを持つ言葉を、声に出して言ってみると、心の中にざわざわっと逆撫でされたような感触が立ち上がったり、冷や汗が出たり、妙に感情的にキレ気味になったり、、、など、なんとも特徴的な反応(身体的な反応といっていいだろう)が出てくるのだ。

 

 というのも、、、その言葉の周辺に関しては、自分は本音をしゃべっていないわけだ。もっと露骨に言えば、自分に嘘をついているわけで、意識レベルではもはやそれを「嘘」と思っていなくても、体は嘘に気がついている。だから、嘘発見器(ポリグラフ)が計測しているような呼吸や神経系の働きの乱れが生じ、ついドキドキしたりする。

 

 そういう自分にとってのキーワードを探っていくのが、セミナーの中心課題となる。

 

 まあ、、それなら探さなくてもわかるわ、と思う人もいるでしょう。一般によく、「あの人の地雷ワード」みたいな言い方をされることがある。このネタを持ち出すとプチっと切れる、とか、そういう言葉のことね。

 

 で、、そんなふうに気づいているのは、比較的表層的なワード。そこを入り口にぐりぐり掘り下げていくと、、、自分の生い立ちのなかで形成された自分独自の世界観のなかに引っかかった、隠れキーワードみたいなものが、徐々にあらわになっていく。

 

 上級セミナーでは、2日間かけて、自分の心の奥底に引っかかっているキーワードを探していく。

 

 なかなかしんどい作業ではある。見たくもない自分とも向き合わなきゃいけないから。

 

 でも、何かがときほくされていく爽快感もある。

 

 まあ、、、もちろん、たった2日間で「自分が変わる」なんてことは言いません。50年以上かけて形成された心のくせが、そんな簡単に変わるわけはない。

 

 でも、、、こんな作業を積み上げていくと、、「自分の見方」なら、意外にころっと変わることもあるのです。くせはそのままでも、それをどう評価(意味付け)するか、という部分ね。

 

 今まで嫌いだった自分のことを、「あれ、、案外いいやつだったんだな」と思えるようになる、とか、そういうこと。

 

 今回の僕の場合、、、自分がこれまで作り上げた色眼鏡を外して眺めた自分は、いままで思っていた以上に呑気で能天気で、ノリノリスイッチが入れば意外なことをしでかすような面白いやつなんだなって思った。

 

 今までの価値観では、そういう制御しにくい自分の側面を抑えたり隠したり恥ずかしいと思ったりしてきたわけだけれど、そんな部分がもっとおおっぴらに活躍できれば、自分もハッピーだし、世の中にとってもプラスになるはず、、と、そんなことを思ったわけだ。

 

 はい、いかがでしょう。ちょっと面白そうだと思いません?

 

 もし心屋流ココロメソッドに興味が湧いた人は、、、まずはpodcastをお勧めします。「心屋仁之助の「本当の自分を見つけるラジオ」」で探してみて。もう30回近くあるけど、1回目から聞くのがお勧めです。

 

 僕の勝手な想像だけど、きっと2人に1人ぐらいは「これ面白い!」って思うんじゃないかな(笑)。

 

 

※心屋さんのお名前を心之助と間違えて書いてました。すみません。修正済みです。