唾液アミラーゼの強さで、太りやすさが決まる(論文クリップ)
Nature Genetics (2014) doi:10.1038/ng.2939
唾液に分泌されるアミラーゼ(でんぷん分解酵素)の
遺伝子数は、人によってかなり違います。
少ない人は2コピー、多い人は10コピー以上あります。
この遺伝子数が多いほど、肥満になる可能性が低いという論文が出ました。
遺伝子が1コピー増えるごとに肥満リスクは20%下がり、
4コピー以下の人のリスクは、9コピー以上の人の
8倍にのぼると推定されています。
アミラーゼ遺伝子が多いほど、でんぷんを含む食べ物を、
素早く、かつ少ない負担で消化できます。
これは基本的には、糖質が多い食べ物に適応した結果と考えられます。
逆に、適応度が低い(コピー数が少ない)人にとっては、
炭水化物が多い食べ物は消化器系への負担が大きいと想像されます。
これと、肥満しやすさがどうつながるのかはよくわからないけれど、
少なくとも、「ローカーボダイエット」のような食事が
体にどんな影響を与えるのかは、人によって違う、
ということはいえるんじゃないかな。
ちなみに、、、唾液アミラーゼの働きが強い人は、
中華丼のような食事をスプーンで食べていると、
片栗粉のアンのとろみがどんどん失われて、
しゃぶしゃぶになっていきます。
これは、唾液が片栗粉のでんぷん(とろみ成分)を、
すごいスピードで分解するから。