歯磨きで緊張するカラダ
いまちょうど、某雑誌で、口の中をきれいにするというテーマの企画を進めている。
取材はとうに終わって、レイアウトもあがって、あとは原稿さえ書けばいい、という段階。
(はい、すみません、もうすぐ書きます。。)
こういうテーマが巡ってくると、自然に、そのことについて自分でも気を配るようになる。
「口の健康」という話なら、毎日の歯磨きとか、口の中への意識が、普段よりちょっと丁寧になる。
まあ、記事に書くつもりのことを、事前に自分の体でいろいろ確認している、ともいえる。
ほぼ毎月、月代わりで何かしらのテーマに取り組んでいるようなものだ。
で・・・記事はまだ書いてないし、まして雑誌の発売もまだ先なので、ネタバレするようなことはあんまり書けないんだけど・・
といいつつ、、記事にはまず書かないであろうちょっと面白い発見があったので、忘れないうちに書いておくことにする。
いや、、、「面白い」っていうのはあくまで自分にとっての面白さであって、これを読む人が面白いと思うかはわかんないのだけど。。
きっと多くの人にとってはどうでもいい話なので、心して読んでください(笑)
でも、自分としてはちょっとした発見だったのです。
口の中の健康というと、自分でできる対策の基本は、歯磨き。
虫歯を防ぐにも、歯周病を防ぐにも、毎日の歯磨きが一番ベースになる。
まあ、これは常識といっていいでしょう。
(一般常識だから、これを書いても記事のネタバレっていうことにはならないだろう)
で、口の中をくまなくきれいにするための、ブラッシングのやり方がある。
これもまあ、常識の範囲の情報だろう。
実際、グーグルで「正しい歯みがき」って検索すると、100万件以上がヒットした。
ざっとみた感じでは、大体同じようなことが書いてある。
その一つをリンクしておきます。サンスターさんのサイト。
これだけ情報が出回ってるんだから、たぶん今ここを読んでいる人の多くは、この種の情報に過去の人生のどこかで接したことがあると思う。
僕ももちろん(仕事柄ということもあり)、ここに書いてあることはおおむね一通り知っているし、普段からまあだいたいこんな感じで歯を磨いていたつもりだ。
ただ、、今回、記事を書くにあたり、いつにも増して、口の中の状態を強く意識してみたわけだ。
すると、、普段の磨き方では磨き残している部位があることに気がついた。
それは、一番奥にある奥歯の、奥側の面。
より厳密にいうと、左側の奥歯の奥の面がうまく磨けていなかった。
右側は、きちんと磨けているのに。
どうしてそれがわかったかというと、、磨いた後に、舌で歯の表面をまんべんなくなでて(なめて)みたところ、左側の一番奥の奥歯の奥の面だけが、ちょっとぬめっていたのである。
「えーどうして左側だけ?」
そこで、実際自分がこの部位をどう磨いているか、検証してみた。
まず、うまく磨けている右側。
僕は右利きなので、歯ブラシを右手で持つ。
右側の奥歯の奥には、歯並びの外側(歯とほおの間)から歯ブラシを入れて、そこから奥の面へぐいっと回り込んで磨いていた。
このときは歯ブラシの柄が、右口角に食い込んで、右側に「いー」って引っ張るような感じになる。
この状態で、歯ブラシのヘッドは、右奥歯の奥の面にきちんと届いていた。
上下とも、基本的には同じような方法でカバーできる。
では、問題の左側。
こちらでは、歯並びの内側(舌の上)から歯ブラシを入れて、そこから奥の面へ回り込むことになる。
理屈の上では、このやり方でも奥の面にブラシは届くはずなのだが、、
そうやって奥の面を磨こうとしても、どうもブラシがうまくとどかない。
ん?、なにかがつっかえてる!?
なぜか、こうやって歯ブラシを突っ込んだときに限って、左側のほおの筋肉が緊張して、奥歯がめり込むほど口の内側にせり出し、奥歯の奥の面を覆っているのだ。。!
緊張した筋肉はがなり固くなっているので、歯ブラシでちょっと押したぐらいでは引っ込まない。
だから、奥の面が磨き残されていたのである!
でも、なんでこんなところが緊張するの?
理由はわからない。
、、、まあ、なぜかは知らないけど、人生のどこかでそういう習性を身につけたのだろう。
・・・体のクセって妙なもので、なんらかの動作や姿勢にともなって、妙な力み(緊張)が習慣づけられていることがある。
たぶんだれでも、日常生活の中で丹念に探していけば、すごく変な(無意味な)局面で歯を食いしばったり、手を握りしめるような習慣が、どこかに見つかると思う。
僕の場合はどうも、水回りで歯を食いしばることが多いみたいだ。
たとえば顔を洗うときとか、風呂で髪を洗っているとき。台所で皿を洗っているとき。
ふと気がつくと、ものすごい勢いで歯を噛み締めていることがある。
で、そんなときはたいてい、呼吸も止まっている。
まあこのあたりは、ヨガや野口体操やその他いろんなボディワーク的なことを経験する中で、自分にそういう不思議な習性があると気がつき、意識的に緊張をゆるめる方法もだんだん身に付いてきたので、今はほぼなくなったんだけど。
でも、、、歯磨きに残ってましたか。。いやあ、気づいてませんでした(笑)
たぶん、、歯磨きのときは、ブラシヘッドのあたりどころ次第で「ウゲッ」ってなることがあるので、それに対して身構えて緊張しているという面もあるかもしれない。
さて、、、どうすればゆるむだろう。
体の緊張をとるには、とりあえず「ふーっと息を吐く」というのが常道なんだけど、、、歯磨きの最中に息を吐くのはちょっとやりにくい。
そこで、、、「足の裏を意識する」というのをやってみる。
足の裏と床が接している感触に意識を集中するのも、力みをはずすいい方法だ。
お、、ちょっといいかも。
それから「笑顔をつくる」というのもうまくいくことが多いんだけど。。。
んー、、これは、いまひとつだな。
ほおが緊張しているので、笑顔自体がうまく作れない。
いっそ、歯ブラシを左手で持ったらどうだろう。
おっ、これはなかなかいいぞ!
・・・みたいなことをやっているうちに、何がきっかけだったかよくわからないけれど、ふっと左ほおの緊張がゆるんだ。
ゆるんでみると、これはもう実に簡単で、「なんでこんな簡単なことがさっきまでできなかったんだろう」って思えるのだけれど。
でも、、さっきまではできなかったんです。
人間のからだって、妙なものです。
・・・というわけで、晴れて、左奥歯の奥の面のぬめりが解消されるようになりました。
まあ、、、人が読んで面白い話とも思えませぬが(笑)、私にとって「体との対話」とは、こんな感じの地味ーな発見の積み重ねなのです、というお話でした。