わずかな心の変化が体を変える〜ボディバランスボードでわかること
ボディバランスボードというトレーニンググッズがあります。
このブログを書き始めた頃に一度、写真を載せて紹介しているので、どんなものなのかはそちらのページを一目見ていただくとして・・・
僕はこれを手に入れたのは、2005年ころ。もう7年も前なんですね。
連日練習しているわけでもないので(というか、たまに乗る程度です、すみません)皆さんを驚かせるほどうまく乗れるわけじゃありません。
ただ、それでも何年も手元にあってときどき乗っていると、いろいろと気がつくこともあるのです。
とりあえず、乗っている姿の動画がこちらです。
あ・・・事前にお断りしておきますが、ほとんど動きのない映像が2分ほど続く、とても退屈なものです(笑)
それでも、2分もかなり安定してこの上に立っていられるというのは、このグッズを手に入れた当初から考えたら、大変な進歩。
最近では、調子のいいときは10分以上乗っていられます。
でも最初は、10秒立つのも大変だった。
何が変わったのか?
まあいろいろありますが、一番劇的な変化をもたらしたのは、実は乗る「環境」なのです。
こちらは、2010年の夏に録画した映像。
こっちの方が、圧倒的にバランスが悪いですね。
体の軸がまったく決まらず、20秒ぐらいでもう壁に手をついている。
ところがこのあと、壁を向いて乗るようになったんですよ。
そうしたら、あっさりと1分以上立っていられるようになった。
壁に向かうのと、背を向けるので、何が違うのか?
やってみた感覚でいうと、主に2つの違いがあるように思います。
(1)壁に向かうと、「バランスが崩れたときいつでも手をつける」という安心感がある
(2)壁に向かうと、視野には壁しか見えない。つまり視覚を刺激するものが少ない。
どちらも、心を鎮めるのことに貢献すると考えられます。
だから壁に向かうと、心安らかに乗っていられるのですね。
逆に言うと、「バランスが崩れたときとっさに手を添えるものがない状態」や、「視野の中にリビングのいろんなものや窓の外の光景が飛び込んでくる状況」は、心の中にかすかな逆波をたてるのです。
それがストレスになって体が緊張する。するとバランス感が悪くなるのです。
今の僕は、壁に向かえば分単位で立っていられますが、くるりと向きを変えてリビングの方に顔を向けると、今だにものの数十秒ぐらいでおーっとっとーーっとバランスが崩れてしまいます。
それって、そんなに大きな違いなの?と思うかもしれません。
まあ確かに、普通に両足で床に立った状態で、「壁に向かう」「壁に背を向ける」の2パターンを比較しても、ほとんどの人は、心の中の変化を何も感知できないと思います。僕も、できない。
それぐらい、ごくごくわずかな変化なのでしょう。
でもバランスボードに乗って足下を不安定にすると、そのわずかの変化が、バランス感覚を大きく変えてしまう。
そのことが、はっきりと実感できます。
「こころと向き合う」ようなアプローチでは検出できないようなわずかな心の揺らぎに対して、「からだ」は実に敏感に、素直に反応するのです。
このバランスボードを開発したのは、バランストレーナーの小関勲さん。商品は、「まるみつ」のサイトから入手できます。
以前、小関さんのセミナーに参加したことがあります。
様々なタイプのバランスグッズに乗りながらいろんな体験ができて、とても面白かった。
その中で、一つ印象に残ったできごとがあります。
セミナー冒頭。参加者全員が「せーの」でバランスボードに乗り、だれが一番長く乗っていられるか、を競うゲームをしたのです。
なんと、僕がトップだったんですね(ハハハ、ちょっと自慢)
そのとき「どんな意識で乗ってました?」と聞かれて、つい「いやぁ、ぼーっとしてました」などとぼんやりした返事をしたら、実はそれがなかなかいい線をついていた。
小関さん曰く、
「競争から最も遠いところにいる人が、最もバランスがいいのです」。
とてもいい言葉だと思いませんか?
競い合う意識を強く持つと、体か緊張します。特に上半身が固まりやすいでしょうね。
すると、バランス感覚は確実に低下する。
競争意識がもたらすよけいな緊張がなければ、体は自然に、いいバランスを自分で見つけられるのです。
もっとも、何か別の原因でイライラ、カッカしているようなときは、最初なかなかぴたっと決まらないことがあります。
でもそんなときも焦らずに繰り返していると、なぜか心が落ち着いてきて、バランスもとれるようになっていく。
こんな風に、心と体は結びついているのですね。
面白いものです。
ちなみに我が家には、もう一つ別の種類のバランスボードもあります。
1か月ぐらい前に、入手しました。
届いた翌日ぐらいに撮影してみた動画があるので、これもついでにのせておきます。
こっちは特に解説ありません。最初の方、ちょっとだけ笑えます。