フリーランス物書きの働きぶり

フリーランスの物書きとして働く僕には、オフィスというものがない。

 

同業者には事務所を持っている人もいるが、僕は、あまり興味がない。

まあ、書庫的なスペースと考えれば、あると便利だろうなって思うこともあるけれど、仕事場としての事務所は、いまの自分には、不要な気がしている。

 

なぜ興味がないかというと、、、たぶん、「いつも同じ場所で執筆する」っていうのが嫌なんだと思う。

 

パソコンひとつあれば、あとは気分次第でどこでも仕事(執筆)できるのが、この商売のいいところ。

それをわざわざ、一か所の拠点に固定したくない。

 

確定申告の書類などでは、自宅が職場ってことになっている。

もちろんそれはそれで当たっている。自宅にはかなり大きな書棚とデスクトップパソコンがあり、そこで執筆や作業をすることも多い。

特に、デザイン入稿的な、大テーブルと大ディスプレーが欲しい業務は、なかなか外ではやりにくい。

 

でも、、、連日ずーっと同じ席にすわっていると、だんだん自分の中の何かが枯れてくる。

 

だから、枯れきってしまう前に、ラップトップをリュックに入れて外に出る。

まあ、今風の言葉で言えば、ノマドワーカー。

 

いまの自宅は品川駅のそば。

とても便利なこの界隈だけど、ネットカフェや長時間居座れるチェーン系カフェは、意外と少ない。

だからたいてい、五反田界隈までぶらぶら歩いていく。駅まで20分弱ぐらいかな。

もしくはバスに乗って、目黒界隈に行く。

この2エリアはどちらも、ネットカフェ、チェーンカフェともにかなり充実しているので、たいていこのどちらかに出向くことになる。

 

だいたい2〜3時間おきに場所を変える。昼過ぎに家を出たとして、夕方までなら2カ所。深夜まで粘るなら3カ所ぐらいはしごする感じ。

五反田辺りは、カフェがいい感じに点在している。1カ所で2時間ぐらい執筆して、そろそろ頭が飽和してきたと思ったら外に出る。そして5分ぐらい歩いて少しほぐれてきた頃に、ちょうど次のカフェに着く。

 

もっと頭が飽和した時には、目黒〜五反田間ぐらいを歩く。

今日はそんな感じだった。バスで目黒に行って、五反田まで歩いて、そのあとは歩いて自宅に帰ってきた。

まあつまり・・・それだけ執筆が飽和してたってことですが・・(苦笑)

 

なかなかスイッチが入らない時は、新しい環境を求めていろいろさまよい歩くことも多い。

いつもの五反田方面ではなくて、反対に向かって歩いてみたり。

逆向きの電車に乗ってみることもある。それで、過去にあまり降りたことがない駅で降りてみる。

 

(そういえば、そんな感じのテレビ深夜番組があったな。出勤するサラリーマンを「逆向きの電車に乗ってみませんか」ってそそのかすやつ。あれはオフィスがあるサラリーマンだから夢のある話なのであって、僕にとっては日常だ)

 

それで、新たな居座り場所を見つけることもある。

でも、単に時間の浪費だけに終わることもある。

 

でもそれはそれ、スイッチを入れるための段取りみたいなものだ。

 

物を書くという仕事は、工場で製品を作るようにはなかなかいかない。

時間を投下すればそれだけプロダクトが生産できる、というタイプの業務ではないのだ。

もちろん、自分の中ではそんなふうに計算しているところもある。「あの記事なら◯時間で書き上がるだろう」とか。

でも実際は、計算通りにならないこともかなり多い。

 

だから、仕事をする上で、自分の最大の関心事は、「どんな環境を準備すれば、自分の中のスイッチが入りやすいだろうか」という一点に、ほぼ常に集約される。

スイッチさえ入れば、どんな大変な仕事でも、たいていはなんとかなるものだ。

 

そのためには、オフィスより大事なことがあるようだ。