40年も挫折せず、飽きることなく、ギターを弾き続けられた理由
ひとつ前の記事でも書いたけど、僕がギターを弾き始めたのは中学1年の時。13歳ぐらいの時だったと思う。
で、いま55歳だから、もう40年以上も、ギターを弾いているわけだ。
自分としては、単純に、好きなことだから続けてきた、というぐらいの意識なのだけど、ちょっと客観的に考えてみると、これってなかなかすごいことだと思う。
楽器が好きで、あるいは憧れて、取り組んでみたものの、挫折した、とか、飽きちゃった、という人は、世の中、けっこう多いようだから。
そこで今日は、自分はどうやってこんなに長いこと続けてこれたのか、改めて考えてみたい。
まず出発点として、ギターや音楽が「好き」というのは大前提。
好きじゃないことを継続するのは、やっぱりしんどいからね。
とはいえ、「好き」だけじゃ続かない、という面もある。
楽器の演奏は「技術」だから、やり始めた時点では、うまくできないのが当たり前。
ある程度できるようになるには、練習を積み重ねないといけない。
挫折っていうのは、そこまで行く前に、嫌気がさしちゃうことだよね。
うまく弾けない状態で練習ばっかり繰り返して、つまんない、と。
じゃあ、どうやったら挫折しないで続けられるんだろう? 忍耐? 努力?
いや、自分の実感に照らしたとき、そういうたぐいの頑張りでやってきたという意識は、全くない。
僕が、ここまで続けてこれたのは、「好奇心」のおかげだと思う。
それはたぶん、ファーブル昆虫記のファーブル博士が、昆虫たちの不思議な生態を興味津々でながめているのと、少し似ている。
何がどうなって、こんなことが起きるの? という、謎解きのような気持ちだ。
具体的にいうと、、
ギターを弾き始めた頃は、「コード」というものがまるで魔法のように思えた。
本に載っているパターン通りに指で抑えてジャランと弾けば、歌のメロディとぴったりマッチする響きが出てくる。
幼稚園の頃に通ったオルガン教室で習った楽曲の世界(楽譜通りに弾くことが目標)とは全く違う、自由自在で万能な感じ。
どうやって押さえたら、あんな響きになるの?
新しいコードを一つ覚えるたびに、世界の謎が一つ解けていくような、そんな気分だった。
ちょっと弾けるようになってきて、スリーフィンガーという演奏パターンを覚え始めたときは、親指のリズミックな動きが「ノリ」を生む、という、演奏メカニズムの面白さに興味が湧いた。
グルーブとかスウィングとかいうリズムの感覚と、体の操作が結びついた、そんな感じ。
さらに、、ラグタイムなどのインスト音楽(ソロギター)にはまり始めたときは、「メロディライン」と「伴奏」を同時に鳴らすテクニックの面白さに、夢中になった。
5本しかない手の指をどうやりくりすれば、出したいハーモニーを組み立てられるか、まさに謎解きのような発想で、コピーやアレンジに取り組んだ。
・・・といった具合で、ファーブル博士のように観察をしていれば、興味深いネタはいくらでも尽きないのだ。
いまは、どんなふうに弾いたらどんな音色が出るか、という、右手の指の操り方に興味が向いている。
プロのギタリストは、どうやってあんな太くてかっこいい音を出すんだろう?
いろんな試行錯誤を積んできた結果、、1年前、いや半年前と比べても、出音がずいぶん変わってきた。
まだまだ、のびしろだらけ。
だから、おもしろい。飽きない。
「うまく弾けないからつまんない」っていうのが、挫折への道。
でも、うまく弾けないって感じる部分にこそ、実は、観察や工夫の余地がいろいろある。
その面白さに気がつけば、、、ずーっと長く楽しめるんじゃないかなぁ。