だからやっぱりギブソンが好き

Gibsonの古いギターと、ラグタイム音楽、そしてももクロをこよなく愛するフリー物書き、キタムラのブログ

ブラックバードのギター

たまにはがっつり、ギターネタを。

 

Youtubeでいろいろ見てたら、ポール・マッカートニー自演のブラックバードの映像があった。

youtu.be

 

この曲は、アコギを弾く人にとっては超定番。以前たしか、タモリ倶楽部で「楽器屋で客が試奏に弾く曲ランキング」というのをやっていて、アコギ部門トップはこの曲だったんじゃなかったかな。


たしかに、自分でも弾きます。ちゃんと曲として弾くというよりは、楽器の鳴りのチェックや、自分のコンディションチェック的な感じで、パラパラっと。

だから多分、楽器屋でも弾いてますね。

 

ただ、、きちんと音を拾ったことはなかったんです。
ビートルズのこのぐらいメジャーな曲だと、「さあ、コピーしよう」なんて改まって音を拾わなくても、普通に生活してるだけでしょっちゅう曲を耳にするから、なんとなくフレーズとか響きが頭に残っています。

その印象をもとに、適当に「ま、こんな感じかな」って弾いていた。

もちろん、楽譜やtab譜を見たこともない。音源(CDとか)を持っているかどうかさえ、怪しい。

 

で、、、せっかく指のポジションまでクリアに見える動画が目に付いたのだから、ポール本人はどう弾いてるのか確認してみよう、と、そんな意識で画像を見始めた。

 

すると、、ああ、、今まで自分が弾いてたのと、全然違うのがわかった。

42秒あたりから、ポジションがはっきり見えます

 

ざっくり書くと、こんな感じで弾いてますね。

 

 

 

  lーー3ーーー5ーlーーーーーーーーlーー3ーlーーーーーーーーl

  l5ーーー7ーーーl8ーーー8ーーーl7ーーーl5ーーー4ーーーl

  lー0ー0ー0ー0lー0ー0ー0ー0lー0ー0lー0ー0ー0ー0l

  lーーーーーーーーlーーーーーーーーlーーーーlーーーーーーーーl

  l3ー4ー5ー6ーl7ー7ー6ー6ーl5ー4ーl3ー3ー3ー3ーl

  lーーーーーーーーlーーーーーーーーlーーーーlーーーーーーーーl

 

 

(細かい譜割りは省いてます。3弦の裏拍開放は、抑えたミュート気味の音でほとんど聞こえない)


こうしてみると、5弦上のベースの動きが特徴的なのがわかります。

半音ずつ上がっていって、また降りてくる。この淡々としたベースの動きが、曲の雰囲気作りにとても効いてます。

 

これ、僕はこんな風に弾いてました。

 

  lーーーーーーーーlーーーーーーーーlーーーーlーーーーーーーーl

  l5ー8ー7ー⑩ーl8ーーー8ーーーl7ー8ーl5ーーー4ーーーl

  lー0ー0ー0ー0lー0ー0ー0ー0lー0ー0lー0ー0ー0ー0l

  lーーーーーーーーlーーーーーーーーlーーーーlーーーーーーーーl

  l3ー7ー5ー9ーl7ー7ー6ー6ーl5ー7ーl3ー3ー3ー3ーl

  lーーーーーーーーlーーーーーーーーlーーーーlーーーーーーーーl

 

 

(⑩が丸数字なのは他意はありません。10って打ち込むとずれちゃうから・・・)

 

どこでどう覚えたのかは記憶にないけど、、たぶん高校生ぐらいから、こんな風に弾いてます。

1小節目、ビューンビューンってスライドアップする感じが、演奏する側としては気持ちいいんだけど、ベーズが半音ずつ上がっていく訥々とした感じはない。。

 

いや、、なんかちょっと違うよなー、とは思ってたんだけどさ。

まあいいや、ってそのまま何十年も弾いてました(笑)

 

こういう勘違いって、耳で適当にコピーすると、よく起きます。

僕は以前、S&Gのスカボロフェアーのイントロでも、ものすごい弾き方を発明したことがありました。

 

まあ、オリジナルの弾き方が唯一絶対の正解だとは思わないので(特にポピュラー音楽では、ね)、自分なりの弾き方で楽しむこと自体は、別にそれはそれでいいのですけど・・・

 

面白いなと思うのは・・・

 

こうやってポールがどう弾いているのか分かった上でもう一度(目を閉じて)音を聞いてみると、いままで聞こえていなかった、半音ずつ上がるベースの音階が、すごくはっきり聞こえるようになったこと。

 

いや、いままでも自分の演奏とポールの演奏が、なんとなく雰囲気違うな、ぐらいには思っていたんだけど、何が違うのか明確には聞こえていなかったわけです。

 

何か、先入観のようなものにブロックされて、「半音階で動くベース」という認識がマスクされていたのでしょう。

 

それが、霧が晴れたように、すごくはっきり聞こえるようになった。

 

ちょっと、得した気分になってます。