読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

忘れることを促進する脳内因子「ムサシ」(論文クリップ)

論文誌「cell」から。

「記憶のメカニズム」というと、ものを覚えるしくみ考えたくなるけど、実際にはものを“忘れる”しくみも必要。線虫を使った研究で、積極的に忘れる(記憶を不安定化させる)ためのメカニズムが、神経ネットワークの中に備わっていることがわかった。

ここでカギを握るタンパク分子は「ムサシ」(musashi)という名前だそうだ。日本人が命名したのかな? それともサムライ好きの外国人?

ムサシは脳内でニューロンシナプス結合を不安定化させ、記憶が消える(忘れる)ことを促進させる。ムサシの発現量を減らすと記憶が安定になり、線虫は記憶を長く保持する。

忘れるためのメカニズムをわざわざ備えてるの?とも思うけれど、忘れること(シナプス結合の不安定化)と、覚えること(新たな結合を作る)が両方あるから、脳は全体として可塑性(柔軟性)を持つことができる。もしムサシがなければ、脳は、一度覚えたことをずっと忘れないすばらしい記憶力を持つ反面、いったん身に付けた何かの考え方から一生抜け出せない頑固頭に陥るのだろう、おそらく。