だからやっぱりギブソンが好き

Gibsonの古いギターと、ラグタイム音楽、そしてももクロをこよなく愛するフリー物書き、キタムラのブログ

1カ月遅れの・・体で感じたF1初観戦記

昨日予告しましたが、、、

鈴鹿サーキットで行われたF1グランプリを見てきたお話を書きます。

10月の10〜11日のことです。

 

現地ルポとしては今さら感ありありですが・・(笑)

 

一応、当日撮ったベストショットだけ、載せておきます。

普通のコンデジで撮ってます。トリミングしたら、かっこ良くなった(笑)

 

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まあ、F1レース自体はもう鈴鹿のあと何レースも行われて、年間チャンピオンがベッテルに決まって、2013シーズンは今週末の最終戦を残すだけとなり、もはやファンの関心事は来期どのドライバーがどこに行くのかに移っている、、といった情勢ですから、いまさら鈴鹿のレースの展開がどうだとか、結果がああだったとか、そういう話をしても仕方がないでしょう。

なので、そういう話はぜんぶすっ飛ばして。

 

自分の五感で感じた体験に絞って、書きたいと思います。

 

 

鈴鹿には10日早朝の新幹線→名古屋からバス、というルートで行きました。
サーキットに着いたのが10時前ぐらいだったかな、バスの駐車場は、サーキット本体からたぶん1km以上離れているのです。

その、遠く離れた駐車場でバスから降りた瞬間。

「ヴィィィィィィィィ~~~~~~ン」という、腹の底から揺さぶるようなすごい音が聞こえました。

朝のフリー走行です。

でも、、、すごい離れてるんですよ。

実際、それからサーキットの入り口まで徒歩15分ぐらいかかる。
入り口ゲートをくぐっても、そこにあるのはまだ前庭のようなもので、サーキット本体まではさらに10分。

そんな遠いところまで伝わる音が、腹を揺さぶる、、って、すごくないですか?

そばまで行ったらどれだけすごい音なんだろう。

はい、もちろん行きましたとも。

すぐ隣のカミさんと、会話不能になります。

頭の中がガーッと揺さぶられている感じで、意識が飛びそうになります。

でも、、、その音が、すっごくいいんです。
音色として、心地いい。

脳の中の興奮ボタンをバシバシバシバシって連打されているような感じ、っていえばいいかな。
とにかくすごい勢いで高揚するんです。。

音は、空気の振動です。音源になる何かが振動して、それが空気を揺さぶり、その波を耳がキャッチする。
音源の振動の波形が、音色を決めるわけです。

F1マシンのエンジンは、超高速回転しています。普通の自家用車とは、レベルが違う。
機械の運動効率として、最高レベルを達成しているわけです。

そういうエンジンはきっと、本体の金属をものすごくきれいに、最大限に振動させるのでしょう。
そういう振動を人間の聴覚がとらえると、おそらく「きれいな音」として感じられるのです。

ただし、音量面でいうと、とてつもない爆音になる、という副作用つき。

まあ、カラダにいいかといわれれば、あまりよくないかもしれないけど(笑)。
でも、すごい。ものすごい。

で、それ以上に鮮烈なのが、ガソリンが燃えるにおい。

こういうと、イヤなにおいを想像する人もいるでしょうけれど、F1クラスの効率のいいエンジンでハイオクガソリンをもやしたにおいは、ほのかに香ばしい。
その辺の車の排ガスとは、全然違います。
これも気分を興奮させるんですね。

そして、目で見るスピード感。

以前、佐藤琢磨のインタビュー記事をどこかで読んだとき、彼が少年のころに初めて鈴鹿でF1を見たときの記憶を語っていたを見たことがあって。

「何がすごいって、ブレーキですよ」と琢磨は言っていました。

重さのあるものがあんなに急激に減速できるなんて、物理現象として信じられない、おかしい、って思うぐらい、ギュギュギュって止まる、と。

それってどういこと?って、思っていたわけですよ。

実際に見て、あーなるほどうまいこというなって思いました。

実際、フルブレーキのときの前向きのGは、感覚的にいうと目玉が飛び出そうに感じるほど、すごいものらしい。
さすがに観衆として見ているだけではその感覚まではわからないけれど、「物理現象としておかしい」と感じた琢磨少年の気持ちは、よくわかりました。

そんな常軌を逸した刺激をふりまき続ける物体が、ピカピカで流れるようなセクシーなフォルムのカウルをまとって、びゅんびゅん飛び交っていく。

こりゃあ、見る人を魅了しないわけがないよね。

そしてもうひとつ、すごいと思ったのが、観衆の反応。

鈴鹿サーキットって、おそらく国内のスポーツ系施設の中で、収容人数が最大だと思います。
16万人とか、20万人とかいわれています。
もちろん敷地も大きい。東京ドームなんて比じゃない。

予選Q3で、主要ドライバーたちが数ラップ走っておおむねタイムを出して、いったんみんなピットに引き上げた瞬間があったのですよ。
広いサーキットが、一瞬、すーっと静寂に包まれる。

そこで、それまでタイムアタックをしていなかったライコネンが、エンジンをかけた。

「ヴオォォ~~~ン」と咆哮一発、響き渡る。

それを聞いたとたんに、16万人が「うおぉぉぉぉぉぉぉお~~~~!!!」って、どよめくんですよ。
地鳴りのようなどよめき、歓声、期待感。

実際のところ、車が目の前を通過しているときは、エンジン音にかき消されて歓声なんて聞こえているはずがない、と思うのです、理性的に考えれば。

でも、聞こえるんです、地鳴りのような歓声が。

高ぶった16万人の心が発する何かが、聞こえるんだと思います。

これもカラダにいいのかって聞かれたら、ちょっと微妙な気はするけど(笑)

でも、ものすごい衝動がびりびり伝わってくる高揚感は、、なんとも言葉では言えない。

で、、、明けて11日。決勝レース。

そんな咆哮の中に、2時間近く、身を置く。
しかも炎天下。そう、今年の鈴鹿は暑かった。

なんといいますか、、、一言でいうと、クタクタになります。

かなり過酷です(笑)

カラダにいいかって聞かれたら・・・・いや、それはもういいや。

でも、気分はとても爽快。

ほかにも、テレビには通常映らないマーシャル(コース脇に控えていて事故車の撤収とかをする人たち)の動きに感動したとか、コース内に流れる現地中継アナの話術がすごかったとか、出店で買った焼きそばと串焼きがすごいボリュームだったとか、いろいろネタはありますが、まあそのへんはいいでしょう。

やっぱり、現地に行って見るナマは違うよな、っていうF1初観戦記でした。