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一口ずつ、丁寧に食べる(食事は瞑想だ)

からだ

健康情報というものを扱う仕事をしていると、世の中のいろんな健康法を耳にする機会が多いものです。

その中には、「おお、これいいな」とか、「へーそうなんだ」などと、個人的にも興味をそそられるものがしばしばあります。

 

そういうのを見かけたときは、とりあえず自分でやってみる。

 

まあ、3日坊主で終わることも多いのですが(笑)、それでも実際にやって初めて気がついたり、実感したり、ということも多いものです。

だから、気になったものは必ず、自分の体でやってみます。

 

で、やってみてさらに「なるほど〜」と思った場合は、飽きるまで続けます。

数カ月〜ときには数年単位で継続することもあります。

 

なので、いつもだいたい何かしらの健康法的なことを、いくつかやっていることになります。

そのときどきのマイブームがあるわけです。

 

今、「これはいいな、大事だな〜」と思っているものの一つが、、、

 

「一口ずつ、丁寧に食べる」

 


これ、どこで見かけたんだったかな? 誰かの本で読んだ話だと思うのだけれど・・・よく覚えていません。まあいいけど。

食事をするときに、一口ごとに箸を置いて、じっくりじっくり噛み締めて食べましょう、という方法。

たぶん見かけた本のなかでは、ダイエット法として紹介されていたのだと思いますが。

僕が思うに、これは、ほとんど瞑想なのです。

食事瞑想とでも呼びたいほど。

なので、効果効能をいうのであれば、ココロによく効くでしょう。
どっしりと落ち着いて、イライラしにくいココロを育てるのにとても有効だ、と感じています。

で、、イライラしにくくなればどか食いも減るだろうから、ストレスなどの影響でどか食いして体脂肪が増えていた人には、ダイエット法としても十分効果的だろうと思われます。
ストレスなどで食べる量が増えてしまって太っている人は、今の世の中、かなり多いと思うので、きっと多くの人に役立つことでしょう。

だけど、本質はダイエット法というより、瞑想だと、僕は思う。

「瞑想」って、人によっては宗教っぽい怪しげなものと感じる言葉かもしれませんが、そんなことはありません。
大げさでも何でもなく、人類が発見した身体技法の中で、おそらく最も広い文化圏で、普遍的に長く信頼されてきた、たぐいまれな技術です。

やり方は、世界中にさまざまな方法があるはずですが・・
大事なポイント一つに絞るなら、それはこういうこと。

「いま、ここで、自分の身の上で起こっていることに集中する」

集中する対象としてよく使われるのは、呼吸ですね。
静かに座って、自分の呼吸(息の出入り)に意識を向ける。
それに伴ってお腹や胸が膨らんだりしぼんだりするのを、ひたすらじーーーっと観察する。
何も考えず、ただひたすら集中する。

やってみたことがある人はお分かりだと思いますが、普通こんなことを始めても、「ただひたすら集中する」状態をきっちりと保つのは、容易ではありません。
大抵なにかしら、呼吸とはまったく無関係のどうでもいい事柄が、ふと浮かんできます。

「あ、さっきのメールにあのことも書いておけば良かったな」

「昼飯、何にしようかな、冷蔵庫には何が残ってたっけ・・」

「シャンシャカシャンシャカシャンシャカシャカシャカ・・・(最近耳について離れないCMソング)」

「エアコンの効きが悪いな、、そろそろまたフィルターをきれいにしないと」

まあ、誰でもこういうのは出てきます。
出てくるものはしょうがない。
「雑念が出てきた」というのも一種の「いま」「ここ」ですから、それはそれでいまは受け入れる。
そのうえで、その「いま」はすぐ終わるわけですから、それをポンと横に置いて、また次の「いま」の呼吸に集中する。

そんなことを繰り返すのが、瞑想の実際のやり方(の基本)。

雑念というのはほとんど、過去の記憶か、未来の想像でできているわけです。
で、単なる事実の記憶(ないし想像)だけでなく、多くの場合そこに、何らかの感情がくっついている。
特に、根深い雑念の場合は、ネガティブな感情がくっついていることが多いですね。
過去の記憶なら「後悔」や「恨み」。未来の想像なら「不安」や「怒り」など。

そういった感情込みの思念を横において、「いま」「ここ」という瞬間の現実に意識を向け続ける。

こういう練習をすると、何が起きるのか。

感情に、取り付かれにくくなるのですね。

何かの感情(例えばイライラ)が出てきても、「あ、イライラだ」って眺めて、そのままやり過ごせる。
するっとスルーして簡単に手放せるから、ココロに取り付くことがないのです。

ストレスっていうのは慢性化するから問題なのであって、一瞬一瞬の上り下がりは、生き物として当然のことです。
サバンナでライオンに出くわしたシマウマは、その瞬間は強烈なストレスを感じるでしょう。
そうやってストレス反応(交感神経系、ストレス応答ホルモンなど)が体内で起きるから、火事場の馬鹿力が発揮されて、シマウマは必死で逃げることができる。
生き物の体の成り立ちとして、そうなるようにできているわけです。

で、うまく逃げ果せれば、またリラックスに戻る。それが本来の姿。
そうれあれば、慢性化はしない

ところが人間は、もう過去のことになった失敗についていつまでも落ち込んだ気分を引きずったり、まだ起きてもいない未来のことを取り越し苦労で心配するわけですね。
とても頭がいい生き物だから、そんなことができてしまう。
だから、ストレスが慢性化する。
それで心が病んだり、体を壊したりする人も多いのです。

そんな慢性的なストレス=ココロに居座るネガティブ感情を手放す技術が、瞑想。
「いま」「ここ」に集中し続ける練習をすれば、過去や未来の感情に取り付かれにくくなるのです。

で・・・話は遠回りしましたが。

冒頭に戻って。

一口ずつ、丁寧に食べる

「食べる」のも、いま、ここの出来事です。

呼吸が酸素を取り入れる行動なのに対して、食事は、エネルギーを取り入れる行動。

しかも、「味覚」が刺激を受けます。
体が「いま」「ここ」の刺激を、強烈に感知するわけです。

それを、じっくりと味わう。

もちろん、テレビは消しましょう。スマホもケータイも視界の外に追い出して。

食べるものは何でもいいけれど、僕の実感では、シンプルに「ご飯」がいいですね。
つぶつぶしていて、あったかくて、噛むとシュワーーーッと甘さが湧いてくる。

もしかしたら、唾液がぐんぐん出るのに驚くかもしれません。
僕は最初、「唾液腺が痛い」って感じました(笑)

そっかぁ、普段無造作に食べているときは、こういう感覚をまったく無視しているんだなぁ。

で、噛んでいるうちにつぶつぶがこなれていって、とろとろしてくる。

これがまた、なんともいい感じ。

で、、最後に、ごっくんと、飲み込む。

じゅわーーっと滋養が吸い込まれる感じがします。

・・・なんてことをじっくり丁寧にやっていると、、、、なんとなくココロに根付いていた嫌な気分は、いつの間にかどこかへいってしまいます。

だから、食事瞑想。

興味をもたれた方は、「マインドフルネス瞑想」というキーワードで検索してみてください。
米国発、最近国内でも盛り上がりつつある心理療法の一つ。ルーツは東洋の禅にあるといわれています。
米国では、うつ治療や、軍隊、学校、企業、刑務所などさまざまな場面での教育に取り入れられつつあるそうです。

そのメソッドの中に、「干しぶどうをじっくりと味わって食べる」という方法があるんです。

干しぶどうももちろんいいと思います。
でも、日本人ならご飯でしょ(笑)

ということで、「一口ずつ、丁寧に食べる」

どうぞお試しください。