取材は何を聞くところ?
今朝は取材。 某大学で、ある病気の発症メカニズムを研究している若い教授。
こういう人に会う場合、たいていまず取材の最初は、記事を作るために必要な情報をざーっと聞いていく。 今日の場合なら、その病気の発症に至るメカニズムや、発症を防ぐ方法などを聞く。 その中の問答を通して、その人が、この病気について、あるいは医療や予防について、もっと広くいえば、生命とか、「生きる」ということについてどんな考えの持ち主なのか、だんだん見えていく。
記事を書くために必要な最低限の情報は、最初の20〜30分でだいたいめどがつくことが多いので(今日もそうだった)、その先は、その人の生命観の核を作っていると思われるあたりにいろんな球を投げてみる。
するとたいてい、どこかで鋭く打ち返す返事が返ってくる。 そこから先が、取材として一番おもしろいところ。 返ってきた流れに乗って話を広げていくと、その人の人となりというか、何を大事に思っていて、何を自分の使命と考えていて、何を規範としていて、、といったことが、どんどん浮かんでくる。
医学的な情報が中心の記事でも、読む人の心を動かすのは、やっぱり人。 人の気持ちというか、想いのようなものが伝わることで、読み手の心が動かされる、と僕は思っている。 今日ははじめて会う先生だったけれど、最終的には、同士のような感覚を共有して、部屋をあとにした。
今日の取材が記事になるのはまだ1か月ぐらい先。 先週発売になった「日経ヘルス」9月号に、この連載のひとつ前の「働きもののカラダのしくみ」が載っています。
テーマは「脂肪滴」。体にとって脂肪とは何なのか、からだの気持ちを代弁してみたつもりです。
日経 Health (ヘルス) 2012年 09月号 [雑誌] | |
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