だからやっぱりギブソンが好き

Gibsonの古いギターと、ラグタイム音楽、そしてももクロをこよなく愛するフリー物書き、キタムラのブログ

来週はライブ!いい音が出る体の秘密

暑い日が続いてますね。

 

だから、というわけでは全くないのですが、ブログの更新がまた1か月も滞ってしまいました。

たまには何か書かないと・・・・

 

ということで、まずは来週の土曜日に迫ったライブの再告知です。

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「Wood Song Project Vol.3」

日時:2012年8月4日(土) 17:00〜 (開場 16:30)

場所:埼玉県東松山市 Live Studio 音蔵にて

料金:無料

出演順:Dai-Go!Low、TAKU45、たかまつなおき、北村昌陽、じあん

http://woodsongproject.web.fc2.com/

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ライブやるのはとても久しぶり。音蔵に行くのは、もう10年ぶりぐらいになるかもしれない。

10年ぐらい前は、けっこう一生懸命ライブをやっていたのです。少なくとも月1本以上はやろう、ぐらいの意気込みで。

 

そのころに比べたら最近は、実にのんびりしています。

 

ただ、出る音に関していうと、今の方が10年前よりずっと良くなっている、という感触があります。

 

そうなった大きな理由は、たぶん野口体操を始めたこと。

 


野口体操は、このブログによく出てくる言葉なので、ご存知の方も多いと思いますが、野口三千三先生という方が作った、かなりユニークな体操。
「体をゆるめる」ことを中心に、筋トレともストレッチとも、ヨガとも違う、不思議な動きをします。
これが、実によく、ゆるむわけです。

で、体がゆるむ(緊張がとれる)と、ギターの音が、確実に良くなるのです。

10年ぐらい前の僕は、体を固めて、息を詰めて、力を入れてギターを鳴らしていました。
野口体操を始めたのが8年ちょっと前。
それから何年か経って、「ゆるめる」という感覚が体でわかり始めたころから、音色がすごく変わってきた、という印象があります。

これ、考えてみると少し不思議な話だと思いません?

例えば「リズムのノリが良くなった」ということなら、比較的納得しやすいと思うのです。
楽器の演奏は身体運動ですから、ある意味スポーツやダンスにも通じる、繊細な身体制御をしなくてはいけません。
緊張した体では、動きがぎくしゃくするのも当然のこと。
それがほぐれれば、スムーズに動けて、リズムも良くなるでしょう。

で、実際、リズム面も良くなったと思います。

でもそれ以上に、単音を一発「ボーン」とならしたときの、音色の深さというか、豊かさ、奥深さのような部分が、最も変化したように思えるのです。

もちろん、いい音色を出す操作をするうえでも、体がほぐれて緊張していないことはアドバンテージになると思うけれど。
でも、早いフレーズの中の音色ではなく、単音一発ボーンですからね。
ここまで差がつく理由がある? というのが素直な実感だったのです。

で、今日は土曜日で、野口体操レッスンがありまして。
先ほど帰宅して、ふとギターを手に取って「ボーン」と鳴らしてみました。

その瞬間、「ははぁ、なるほど」と思ったことがあった。

体の緊張がとれると、指先で弦などから伝わる力や振動を感じるセンサーの感度が、格段に良くなるのです。

音を出すとき、まず左手の指で弦のどこかを押さえますね。
このとき、弦から指へ、反発する力が返ってきます。

その反発力に対してぴったり真っすぐに押さえることが、弦をホールドする上で、とても大事なのです。
これが斜めだと、クリアで深い音にはなかなかならない。

で、指先には、「真っすぐかどうか」を感知するセンサーがあるんですね。
弦から返ってくる力を瞬間的に感じ取って、そちらの方向へ指の力加減をぴたっとあわせるメカニズム。

子供のころによく、こんな遊びをしませんでした?
モップとか、野球のバットのような長くて少し重いものを手のひらの上に立てて、バランスをとってささえる遊び。
慣れてくると、指一本で支えたり、立てたまま右手から左手にトスしてキャッチしたり。友達とキャッチし合ったりもした。

そういえば、学校の掃除時間に男子の大半が夢中でモップのチャッチボールをするようになったあげく、誰かの投げたモップが教室の蛍光灯を見事に粉々にして、連帯責任で何か罰を食らったなんてこともあったような気がする(笑)

いやまあ、罰のことはどうでもいいんだけど。

あの遊びは結局、手のひらでモップの重さ(=モップから伝わってくる力)を感知して、その力が働く方向(=重力がモップを引っ張る方向)へ手のひらを連続的に滑り込ませ続けることで、モップが倒れることを防いでいるわけです。

あの感覚と、左手の指先で弦を真っすぐ押さえる感覚は、実はけっこう似ている。

で、そのセンサーは、緊張すると鈍るんです。

体がゆるむと、真っすぐの方向がぴたっとわかって、指先が自然にそちらの方向へ押さえる力の軸をあわせるように動く。
そういうことを、弦を押さえるコンマ何秒のうちに、自分の指先がやっているのですよ。

弦をはじく右手も、同じような動きをやっています。
やっぱり、弦から返ってくる力の方向を感知して、そっちに向かってボン、とはじくような感じ。

そうすると、深くて太くて豊かな音が出る。

いや、右手の場合は、わざと斜めにこするようはじいて、色気のあるかすれ気味の音色にすることもありますが。
それができるのも、どっちが「真っすぐ」かが感知できているからです。

なにもセンサーを使ってそのつど真っすぐを感知しなくても、「これが真っすぐ」というフォームを繰り返し練習して、機械的に指がそう動くようにすれば、いい音になるんじゃない?と思うでしょうか。
ある程度までは、その通りだと思います。
基本技術としてそういうフォームを身につけるのは、基本的にはいいことだと思います。

ただ、そういう機械的な操作一辺倒のスタイルでは、たぶん無味乾燥な演奏に終始してしまうんじゃないかなぁ。
正しいんだけど、おもしろくない、みたいな感じ。

まあ、難しい話はともかく(笑)

そんなわけで、来週の土曜日は東松山でライブです。

お近くの方、もちろん遠くの方でもけっこうです、ぜひ聴きにきてください。
いい音をお聴かせしますよ!