昨日発売の日経ヘルス10月号の記事

昨日発売になっているはずの日経ヘルス10月号。

(まだ手元に届いていないし書店でも確認していないので、こういう表現になりますが・・・笑。まあたぶん出ているでしょう)

 

今回ここに、普通、健康誌ではまず見かけないタイプの記事を書きました。

日経 Health (ヘルス) 2011年 10月号 [雑誌]
日経 Health (ヘルス) 2011年 10月号 [雑誌] 日経ヘルス編集部

日経BP社 2011-09-02
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この号全体の特集テーマは「若くみえる人の秘密」。 いわゆるアンチエイジング系のメソッドをいろいろと紹介しています。

 

個人的には、アンチエイジングという言葉は好きじゃないです。 生き物にとってエイジング(加齢)というプロセスは必然ですからね。避けられるはずもない。

 

避けられるはずのないものに抵抗しようとする姿勢は、自己否定的な心理を生み出します。
つまり、自分の中の老いていく部分が嫌いになっていくわけです。

放っておいても、ほとんどの人が人生のどこかで、多少なりともそういう気持ちを抱かざるを得ないのに、そこに「アンチエイジング」なんていうトレンドをわざわざ焚きつけるのは、ネガティブ心理を増長するだけじゃない・・・
と、まあ、僕はそんなふうに思うのですね。

ただ、それはそれとして、にもかかわらず人間の中には常に、「若さ」に憧れるという性質もあるのです。
なにしろ太古の昔から人類の夢といえば「不老長寿」だったのですから。
で、そういう性質があるからこそ、アンチエイジングという言葉も、魅力的なキーワードとして現代のマーケティングの中で通用している。

それって何なのだろう。なぜ人間は若さに憧れるのか。それは人間にとってどんな意味をもつ性質なのか?ということを、今回の記事では掘り下げて追求してみました。
ゴリラの社会学の専門家などに話を聞きまして。

つまり、この問いはもうほとんど「人間って何者?」という問い掛けです。
で、人間はどんな生き物なのかを知るには、人間の近縁だけどちょっと違う、という生き物と比較してみるのが常套手段。
それは、ゴリラとかチンパンジーとか、そういう大型類人猿たちです。

もともとお猿さんの研究の本を読むのは好きだったので、嬉々として取材に出かけました。

ね、あまり見かけなさそうなお話でしょ?

触りのところをちょっとだけネタバラしすると・・・

生物学的な目で見ると、人間の繁殖行動の戦略は、「若いうちにまとめてたくさん子供を産む」というタイプといえるそうです。
確かに、人間の女性の体は、1~2年おきに出産可能なようにできている。
これは類人猿ではかなり「多産」の部類に入るといいます。確かにゴリラは、繁殖間隔が3年ぐらい、チンパンジーなら5年ぐらい必要。


それはなぜかというと、ゴリラやチンパンさんの雌は、子供が独り立ちするまでずっと、基本的に自分だけで子供の面倒を見る必要があるから。

対して人間は、1~2年でどんどん出産する。当然、次の子が生まれた場合、上の子はまだ独り立ちにはほど遠い。やっと乳離れしたかどうか、というぐらい。
でも、そこでうまくできてるもので、、、人間はもともと、社会生活の基本形が大家族なので、母親以外にも父親、祖父母、おじ、おば、年上の兄弟やいとこなど、小さい子供の面倒を見られる家族がたくさんいるわけです。
だから、お母さんは安心して、若いうちに集中的に出産できる。

で、乳離れした子が社会の中でいろんな経験をする、その経緯自体が、人間の脳を育てるプロセスにもなっているというわけ。
というか、、むしろ、これだけの脳を作り上げるためには、安全で、社会性に富んだ環境の中で育てるという選択しかないのでしょう、おそらく。
少なくとも、お母さんの子宮の中で、こんな複雑な脳を育て上げることはまず無理。
サイズ的にも、骨盤から出てこれない大きさになってしまうし、神経の回路を作るためにも社会的刺激が必須と考えられる。
だから母親は、脳が幼弱なうちに産んで、外に出てからすごい勢いで脳を育てる。
そのためには、母体が成長を支えるだけの母乳を供給する能力が必要で・・・そのための必要条件が、若さ。

で・・・そんなスタイルの繁殖&育成&社会戦略を選んだ生き物の本能としては、「若さに魅かれる」という性質を持っていないとおかしい、というわけです。
個々の男女がたいていみんな、若さに憧れながら行動するから、全体としてはこういう戦略が機能する、と。

でも一方で、そういう本能的性質が現代社会のなかで作り出す葛藤もあり・・・

という感じで、お話が展開されていきます。

自分が書く記事は、健康情報といいながらたいてい少し変わったテイストを帯びているのですが、今回のは輪をかけて面白い感じだと思ったので、思わずちょっと宣伝させてもらいました。
機会があったら読んでみてください。