ロルフィング終了しました
昨日、全10回のセッションがすべて終了しました。
1〜2週間おきに、光が丘にあるロルフィングスタジオに通うのが日課になっていたのですが、これで一応おしまいです。
スタジオの近くに、とってもおいしいそば屋があって、そこで施術が終わったあとにそばを食べるのが楽しみになっていたんですけど(笑)、まあそばだけのために光が丘まで行くことはないだろうから、こちらも当分はお別れ。
で、10回で、自分の体は何がどう変わったか?
見た目の変化は多分かなり微妙なので、傍目にはそう大きな違いに見えないかもしれないけれど、自分としては、体の中で感じている身体感覚が、そうとう大きく変化しました。
それだけでも、通った甲斐があったというものです。
ロルフィングのセッションは、大まかにいうと、体をほぐすマッサージのような操作と、ほぐした体でいろんな動作や姿勢(呼吸とか、歩くとか、座るとか)を練習する部分という、2種類の要素を含んでいます。
1回90分ぐらいですが、現実には、時間の大半は、ほぐす操作に費やされます。
その間は、まあ、マッサージ屋さんとか、指圧の治療院とか、そういうところに行ったときと大差ない雰囲気です。こちらはベットに横になって、ロルファーの中村さんが体をもんだりさすったりしてくれている。
施術の技術としてみると、通常のマッサージが筋肉をほぐすことに主眼を置いているのに対して、ロルフィングでは筋膜という組織をゆるめようとしている、という違いがあります。
ただ、この違いは、施術者にとっては大違いだろうと思うけれど、受けている側の感覚としては、正直、普通のマッサージとの違いはあまりよくわかりません。
まあ僕は仕事柄、「筋膜をゆるめてるんだよな」ということをなるべく意識して受けようとしていたので、時折普通のマッサージとは違うことをやってる、と気づいたこともありましたけれど、それもごくたまに、です。
あと、ロルファーの中村さんととても話が合ったので、実際にはほとんどの時間、ずっとおしゃべりしっぱなし。施術されていることをほとんど忘れている時間もけっこう長かったです(笑)
というわけで、施術そのものを受けているときの感覚に関しては、あんまり特徴をうまく際立たせる説明ができません。まあマッサージみたいなものです、としか言いようがない(笑)
まあ、いえるのは、痛くはないってことです。
かといって、さわさわなているのとも違う。
すごく微妙なタッチで、なんか不思議な気持ちよさ、と言っておきましょう。
で、普通のマッサージや指圧と一番違うのは、ひとしきりゆるめた(施術した)あとに、「動きの練習(ないしチェック)の時間」があること。
呼吸にあわせて骨盤を前後に傾けたり、胸郭の背中側を広げるように息を吸い込んでみたり・・・というようなことを、ほぐしたあとでやってみる。
その動きがスムーズにできればokうまくほぐれています、という確認と同時に、次回までそういう動きを日々練習してください、という意味もあるみたいです。
筋肉や筋膜がほぐれれば、体の動きの可能性が広がります。いままで動きの悪かった部位が動きやすくるわけだから、当然ですね。
だけど、筋肉の動きを司っているのは神経。これは、腕や手足を動かす意識的な動作でも、呼吸や姿勢、歩行のような無意識の動作でも一緒です。
だから、動きが変わるためには、最終的には神経から出る指令のパターンが変化しないといけない。
ということは、筋肉や筋膜がほぐれただけでは、動きを変えるのにまだ不十分ということになります。とくに呼吸や姿勢のような無意識の動作には、その運動のための自動化された神経指令パッケージがあるわけで、それを変化させないといけない。
それには、野球の選手がバッティングフォームを改造しようとして素振りを繰り返すようなプロセスが必要になるわけです。
で、そこまでいくには、90分の施術時間だけでは足りない。
なので、練習したことを次回まで練習してください、ってことになる。
ただ・・バッティングフォームと呼吸や歩行の動作には、ひとつ大きな違いがあります。
前者は野球という人間が考えたスポーツのフォームなのに対して、後者は元々、生き物としての自分の体に備わった本能的な動作だ、ということです。
だから、制限要素(筋肉や筋膜の凝りなど)がほぐれれば、自然と本来の動きがよみがえってくる、ということが期待できます。
つまり、全く新しいフォームを覚えるのではなくて、むしろこびりついていた癖を外すための練習ってことになるでしょう。
それで・・・本能的な動作なので、その動きを身につける(ないしうまくできているかどうか自分で確認する)ときに、体の中で感じる感覚、とくに重心の感覚が、とても頼りになります。
だって、重心がずれた状態を筋力で支えなければいけないような姿勢が、生き物本来の姿であるわけはないだろうから。
立つにしても、歩くにしても、筋力の負担は最小限でバランスがとれ、その中で重心が安定する(滑らかに動く)ような姿が、本来の姿であるはず。
これがバッティングフォームを覚えるような場合なら、たぶんフォームを鏡で見たり、ビデオに撮ったりして外から確認することがどうしても必要になるのだろうと思いますけど。
で・・・そういうことなら、毎週、野口体操の教室でやっていることと大差ないわけです。
体の重さの感覚に耳を傾け、重さを操る操作を探っていくアプローチ。
ただ、野口体操の場合は、固まった筋肉や筋膜を積極的にほぐすプロセスはあまりありません。
操作を探る中で、少しずつ、体が変わっていくのを待つ感じ。
「待つ」ということに価値を置くわけです。
時間はかかるけれど、それだけ微細な変化に耳を傾ける感性が磨かれることになるでしょう、多分。
と、こんなふうに整理してみると、野口体操をやりながらロルフィングを受けるという組み合わせは、実に理想的なコンビネーションという気がします(笑)
で、具体的にどんな変化が起きたかというと・・・・歩いているときの姿勢とか、重心の感覚、脚の動かし方などが、すごく変わりました。
体の中のいろんな部位が、つながって動いている感じ。
それから、脚が地面の上にどっしりと立っているという感覚が、とっても強くなりました。
そういえば最近、野口体操もけっこう調子がいいんですよ。
それから、ギターの演奏のノリがすごく軽やかで、飛び跳ねている感じがあります。
中村さんによると、ほぐれた体に応じて姿勢や動作が変わっていくプロセスは、この先も続いていくらしいです。
ということで、今後も楽しみです。